“film and sleeping-bag series” #1 ~ 王兵 「鉄西区」(2003)

期日…2008年11月7日(金) ~ オールナイト上映

時間…第1部:21:00-1:30
     第2部:2:00-5:00
     第3部:5:30-7:40

料金…前売り限定3枚券:一般 2,500円、学生2,000円
    当日1部券:一般 1,000円、学生 800円
    
主催…film and sleeping-bag実行委員会
     tel:093-661-9130(旧百三十銀行ギャラリー:10:00-18:00 月曜休廊)
     e-mail:fumiwo.iwamoto@gmail.com(岩本)

作品提供…特定非営利活動法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭


※長時間の鑑賞となりますので、鑑賞中、他の鑑賞者の邪魔にならない範囲で自由に動いていただいてかまいません。ご自宅からクッションや枕、寝袋などをお持ちいただき、椅子や床に敷いて、楽な体勢でご鑑賞下さい。

※前売り限定3枚券は、1部鑑賞券の3枚綴りです。1人で3枚、あるいはセットを複数人で分けてもお使いいただけます(3人で1枚づつ等)。販売は北九州市立旧百三十銀行ギャラリー(八幡東区)にて行うほか、上記のメールか電話によるでの事前予約を承ります。

※翌日8日(土)には、北九州市立旧百三十銀行ギャラリーにて、午前10時から上映。詳しくは、http://gallery130.jp/


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『鉄西区』

 第1部:「工場」(240分)
 第2部:「街」(175分)
 第3部:「鉄路」(130分)

監督:王兵(ワンビン)/中国/2003年/カラー/DV/545分
日本占領中に設立され、後に人口の多い工業地域に変貌していった中国東北部瀋陽にある鉄西区。現在は廃れゆくこの地域を「工場」「街」「鉄路」という三部構成の中に描き出した9時間におよぶ超長編ドキュメンタリー。廃虚となっていく工場や街、変化を余儀なくされる人々、刻々と過ぎゆく時の流れ。対象となる地域を限定し長い時間をかけて記録することにより中国社会が抱える現実をも浮き彫りにした稀有なドキュメンタリー。

監督のことば(各部概要):

  『鉄西区』は「工場」「街」「鉄路」という三部構成の独立系ドキュメンタリー映画だ。

 第一部「工場」は、50年におよぶ計画経済の遺産と、数十年にわたる社会主義制度での生活が中国の個人、家庭、そして社会にいかに影響を与えたかを検証した。中国東北部、鉄西地区には経営の行き詰まった国営工場があるが、その中の3つに着目し、そこで働く人々の日常生活と工場での日課を描き出した。工場が破産に近づくにつれ、多数の労働者が解雇され、彼らは慣れ親しんだ工場という環境から追い出され、不確実な未来へと投げ出される。

 第二部「街」では、鉄西地区の労働者階級が住むエリアにある工員向け住宅で、両親と一緒に暮らす若者の生活に焦点をあてた。彼らが住むエリアは地方政府によって取り壊されることがすでに決定している。撮影は1999年から2001年にかけて行われ、住人たちが、自分たちの居住地区に迫りくる破壊という事実に対処しながら生きる日々の暮らしを記録した。

 第三部「鉄路」は、鉄西地区の工場をつなぐ古い貨物路線と、社会の末端で定職もなく、鉄道に依存して生計をたてていたくず屋とその息子に焦点を当てる。二人が、環境の変化に適応し、自らの運命をいくらかでもコントロールしようともがいている間も、国営鉄道の職員として働く友人たちは、その人生がある地点において凍結されてしまったかのように、何の感情もなく、ただ決まった仕事を続ける。

王兵(ワン・ビン)
1967年、陝西省生まれ。1992年、瀋陽にある魯迅美術学院で写真を専攻。1995年、北京電影学院映像学科入学。1999年、初のドキュメンタリー『鉄西区』を製作。2001年末に撮影が終了した本作の300分ヴァージョンが、2002年ベルリン映画祭「インターナショナル・フォーラム」部門に選ばれ、リスボンの国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞。また本バージョンは2003年のマルセイユ国際ドキュメンタリー映画祭でグランプリを受賞した他、多くの国際映画祭に出品している。