“RUBBING EYES WITH A DRY TONGUE”
(かさついたベロで目ん玉をこすれ!!!)
ロイック・ストゥラーニと鍋島幹夫による映像の夜
期日…2007年04月27日(金)
時間…19:00 スタート
料金…500円(1ドリンクとロイックによる軽食付き)
ローマ発沖縄経由で福岡にやってきたロイック・ストゥラーニは、絶えず愛嬌のある笑みを浮かべている映像作家。今は福岡に住み作品制作を続けている。彼の映像は彼の人柄同様ユーモアにあふれ愉快で奇妙だ。今年はじめにはテトラにおいて自慢のカレーを皆に振るまい好評を博した。今回は、秋吉台国際芸術村のアーティスト・イン・レジデンスで制作した山口の郷土料理「けんちょう」に関する新作のビデオ作品の他、沖縄滞在時に地元の人にインタビューしアニメーション化した作品(写真)や短編実験映像数編を上映。ついでに彼のお手製「けんちょう」も楽しめるとか。
鍋島幹夫氏は詩人である。詩人と云えば谷川俊太郎や中原中也ぐらいしか思い浮かばない人にとっては「?」ってなものだろうし、氏自身「なんでもないこと」と云っているが、詩集『七月の鏡』(思潮社)でH氏賞を受賞している。・・・とりあえず「意味から遠く逃れようとするのが詩人である」と云ってみようか。しかしそんな詩人は一握りしかいない。多くの人が「ちょっとだけ迷い、ちょっとだけ考えさせ、でもけっこう泣ける」イメージを求めている昨今、詩もまたそれに寄っているかのように思える。だからなのかは定かではないが、氏は今回上映する作品『Filmsy』において、自身の声ではなくコンピュータに詩を朗読させている。怠惰な舌が発する言葉には唾や涎がつきものだからか? 人工音声によってもともと有用性のない詩言語がその宙吊りの状態を露呈する。それを観る(聴く)者は戸惑いを隠せない。
一見、なんの共通点もないこの二人。二人は握手をするかもしれない。摩擦を起こすかもしれない。「もう観てらんない!」かもしれない。