2010.11.09
19:30 start
¥1,500(1 drink inc.)
期日…2010年11月9日(火)
時間…19:30 start
料金…1,500円(1ドリンク付)
※カレルへのメールインタヴューを掲載しています。
karel
http://www.myspace.com/karellabel
kazuhiko sakaguchi
hercel
www.deterra8.com/
ベルギー、ブリュッセルから、“カレル”というバンド名の物音=音響=ノイズ・デュオがやってきます。youtubeの演奏はとても良いです。
福岡からは、シェーン・ボウデン、モリ・アヤコのハーセル、坂口壱彦。
カレル karel
ベルギー、ブリュッセルを拠点に活動する、フレデリック・ルルー(ギター、エレクトロニクス、その他)とフレデリック・ドンシュ(シンセサイザー、エレクトロニクス、その他)の2人組。2008年結成。90年代より、ベルギーのオルタナティブ・ロック、ヘヴィー・メタルのミュージシャンとして活動する傍ら、ルルーはエレクトロニクス、ドンシュはフリー・インプロヴィゼーションのシーンでも研鑽を積む。2人は民間音楽学校の教師でもある。“…即興演奏で、ノイズの波、滴るようなサウンドの洪水を作り出す。その世界は、ディヴィッド・リンチ『イレーザーヘッド』の世界を想起させる。揺さぶり、震わせ、ときに荒立たせる。機械のようにクリーンで無菌室のようなサウンドが、見知らぬ世界の呻き声と重ねあわされ、表面のノイズは、水中の漣のように流れる。突如、全てが止む。穏やかなメロディーが現れ、永遠に続くと思われた絨毯爆撃の不快な叫びを諌めようとする。あぁ!敗れ去った戦い。しかし、戦に終わりはない。”※詳細は、下記インタヴュー。http://www.myspace.com/karellabel
坂口壱彦
学生時代は九大ジャズ研で、なんちゃってベース奏者として活動。2000年ごろからは、ラップトップを使い、サウンドのテクスチャー、フィギュアーのあり方を探るスタイルへ移行。その後ラップトップを捨て、自作ギターと磁石、ライト、児童用科学実験器具等を組み合わせ、さらなる検証作業(演奏)を行う。現在は、真っ当な E.ベース奏者となるべく精進中らしい。アートスペース・テトラのメンバー。
ハーセル hercell
シェーン・ボウデン、モリ・アヤコの阿鼻叫喚八万奈落ノイズカップル。福岡を拠点とする。シェーン・ボウデンは、音楽・美術等のイベントをプロデュースする組織「デテラ deterra」を主催。福岡において最も大規模なエクスペリメンタル、アヴァンギャルド・ミュージックのフェスティヴァル「AGAINST」を開催している。ハーセルのほかに、蹂躙、モンスター・ムービー等でも活躍し、ソロ名義のレコーディングが、「Improvised Music from Japan」のコンピに収録された。モリ・アヤコは伝説のノイズ・グループ、マギー・ギャーーの元メンバー。コンタクトマイクと様々なオブジェクトを組み合わせ、日常で見過ごされる些細な雑音を、過剰な神経症的痙攣サウンドに変形させる。www.deterra8.com/
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★カレルへのメールインタヴュー
テトラ: バンド名前の由来は?
カレル: 2人のフルネームがフレデリック・カレル・バーナード・ルルーとフレデリック・カレル・ヘンドリック・ドンシュなので・・・。フランス語で、「karel」の発音は少し妙に聞こえます。
テトラ: 日本に来るのは何度目ですか?
カレル: 2度目です。今回は、東京(渋谷 Bar Isshee、東高円寺U.F.O. Club)、京都(UrBANGUILD)、大阪(common café)、福岡で演奏します。
テトラ: 日本の音楽シーンについて何か印象を持っていますか?
カレル: 私たちは本当に多くの実験的な日本人ミュージシャンに興味を持っています。例えば、大友良英、サチコ・M、灰野敬ニ、ヤマツカ・アイ、秋山徹次・・・。私たちが日本を訪れる一番の理由ともいえます。また、よりハーシュなノイズのシーンにもとても興味があります。例えば、ペインジャークやメルツバウです。
テトラ: 日本では、ベルギーの音楽家として、ウィム・メルテンやフレッド・ヴァン・ホーフが知られていますが、あなたたちはどのようなシーンと関係があると思いますか?他のヨーロッパのノイズやEAI(Electro-Acoustic Improvisation)と呼ばれる文脈に親近感を持っていますか?
カレル: ブリュッセルのミュージシャンの小さなシーン(circuit)で活動しています。フレデリック・D.は主に、エレクトロニクスとDIYのシーンで、フレデリック・L.は即興、フリー・ジャズのシーンで活動してきました。この2つをカレルとして統合しようとしています。グループやレーベルとしては、以下の人たちと関心を共有していると思います。
Lexidisques: http://www.lexidisques.net/
YoungGirls:: http://young-girls-records.blogspot.com/
Ultraeczema: http://www.ultraeczema.com/
スタイル的には、多様な音楽に影響を受けました。特に大きなものは、AMM、メゴ、タッチ、テリー・ライリー、ラモンテ・ヤング、ブラック・メタル(!)等が上げられると思います。2人の異なった経歴が無意識に、カレルとしてサウンドの個性に作用していると思います。
テトラ: 普段はどういった場所で演奏していますか?
カレル: 私たち自身や、友人(上記)とオーガナイズする小さないイヴェント等で。カレル・レーベルはできてからおよそ1年余りで、これまで行った数回のコンサートのほとんどはブリュッセルです。カレル以外の別のプロジェクトでは、色々な国や都市で演奏したことがあります。
テトラ: カレルのプロジェクト以外で、いわゆる実験的、アバンギャルドの音楽のキャリアがありますか?
カレル: カレルがこのタイプの音楽の始まりでした。カレルを結成して2年ですが、もちろん突然始まったわけではありません。これまでの経験のすべてがカレルに集積していると思います。
テトラ: いわゆるノイズ、オンキョー(または、レダクショニズム)とよばれる動向の違いに関して何か印象も持っていますか?
カレル: 私たちにとって、両方すごくおもしろい。 オンキョーで非常に魅力的なことはマテリアルが制限されていることです。この制限によって、私たちはサウンドの細部やわずかな変化に耳を開かされます。私たちが慣れ親しんでいる従来の水平、直線的な聴き方とは非常に異なった経験になります。ノイズも違った意味で、ずいぶん変わった経験(trip)です。それはある瞬間のエネルギーに関するものだと思います。オンキョーよりは繊細ではないのかもしれませんが・・・。 それはより水平的な経験です。オンキョーがその最良の瞬間に時間が止まったように感じられるに比べ、ノイズは進み続ける必要があります。
テトラ: あなたたちの音楽はどのように楽しめばいいのでしょう?
カレル: それは聴く人が決めることです。座っても良い、立っていても良い。飲んでいても良いし、ダンスするのも構わない。
テトラ: AMMやデイヴィッド・リンチの例を挙げていますが、あなた方の音楽からある種の風景を感じてほしいのでしょうか?
カレル: 音楽を作るとき、基本的に、私たちは私たちに触れる(touch us)サウンドを見つけようとします。 感情的なレベルというわけではなく、音自体のレベルに関して。私たちは音=サウンドが好きです。とてもシンプルなことです。聴く人がどう私たちの音楽を楽しむかは、完全に彼ら次第です。たぶん、いやほぼ確実だと思うのですが、人は音楽を聴くとき、サウンドと積極的(自発的な)な関係性をつくっていると思います。それは、視覚的であったり、感情的であったり、物語的であったりするのかもしれない・・・。私たちはそれを聴く人にオープンにしておきたいと思います。聴く人には、様々なレベル(音自体、感情的、視覚的等)で、好む、好まざるを判断する自由があると思います。
テトラ: ハン・ベニンクは「フリー・ジャズは若さを保たせてくれる!」と言いました。ジョークともいえますが、音楽の「効果」に関して、何か考えはありますか?
カレル: ハン・ベニンクは偉大ですね。かっこいい!これは難しい質問です…。結果として、人にどのような効果があるかについては言えるものではありません。それはとても個人的なことですから・・・。 そうではなく、わたしたちがどのような効果を与えたいかについては、少し言えます。わたしたちの音楽を聴くことは、非日常的経験(alienating experience)なのだと思います。一旦、connectすれば、完全に現実と時間の感覚から自由になる世界に入り込むことができる。これが、私たちが期待していることです。そして、これこそ偉大な芸術が人々に成している「効果」だと思います。それは、映画、絵画、音楽等々いかなる媒体でも同じではないかと思います。
テトラ: カレルとしてのレコーディングはありますか?
カレル: 現在まで4作リリースしました。今度もって行くつもりです。